森羅万象を司り、全能と唄われる存在、「神」。
しかし、以下に神々が万能といえど、時には疲弊し、また、人の邪なる心にあてられ、その身を堕とすこともあった。

ゆえに、堕天した神を癒すことができる「神子」は、古くから「神の妻」して尊ばれていた。

また、各地方の、神子たちの統率役である任期十年の役職、「媛御子」は、都の官吏たちにとって、娘をその職につけ、都での自分の実権をより強大なものにするためには欠かせないものであった。

そして。

そんな媛御子たちの頂点に君臨する、

「斎宮」

は、時に王にすら意見できるほどの強力な権力を有していた。

斎宮はこと華国において、王族との結びつきを強めるため、必ず王の子、つまり皇子のいずれかと結婚することとされていた。

そう。

全ては神々の力を、国の繁栄と栄華のため、利用するために。