ー絹繼 緑…?sideー


「まずったかな」









路地裏でつぶやく。









にしても、困ったな。








「能力。使い過ぎた」








珍しい。能力持ちに会えるとは。








「てゆうか。あのクソめ。

売りやがったな。

どうやって追い詰めてやろうか」









prrrrrrr









「…あのクソめ」








ピッ








「もしもし」









『よお。随分とお怒りのようで?』









電話口から陽気な男の声がする。









「あいかわらず、腐った根性してるわね」








『褒め言葉どーも』









「でも、だ。結果オーライだろ?」








後ろを振り返れば電話口で








したはずの声が聞こえる。








「どこがよ」








そいつは笑う。









「面白かったろ?」








「あんたねぇ」









「おいおい。怒るのはよせよな?

明日いくらでも聞いてやるからさ」









そう言って軽々とそこを逃げていった。









「あのやろう…」