「そう!そんでさぁ。間違えメールじゃないみたいだし……気持ち悪くて。」

「うわっ。マジで?大丈夫?何かあったら言いなよね。」

「うん。じゃあねー。今日は彼氏のお誘いがあって…………」


「紗希…のろけ話が始まりそうなのですが?」


「おっと。いけない!はははっゴメンゴメン。」


「ほら、お誘いに遅れたら悪いでしょ。さっさと行ってきなよ。」


「ん……ホントにじゃあね。」

朱里と離れて学校を後にする。紗希の彼氏は他校なのだ。

今日は一緒にご飯を食べる予定だ。


「行こっか。」

「うんっ!裕太。」

高田 裕太。紗希の彼氏役。
今日みたいにご飯を食べに行ったりして、
彼氏いない歴を誤魔化している。

外に出るとすっかり暗くなっていた。

「はぁ~!うまかった。」

「私も。付き合ってくれてありがとね。」


「おう。またな。」

そう言うと裕太は自転車にのって帰っていった。

ぶーー……ぶーー

ん?メールだ。


件名:ファミレス

ーー今日は男とファミレスでご飯を食べましたね。あまりにも美味しそうに食べるのでつい見とれてしまいました。私もファミレスであなたと同じ料理を食べてましたよ。
気づきました?


ファミレスに居た?間違えメール男が?

最悪…………単なるストーカーじゃん。

ストーカー………………

紗希は急いで家に帰った。