今日は始業式が体育館で
あっただけだった
まなちゃんから聞いたけど
朝の優しい人は
中野 月光君って人でした
さっそく仲良くなったんだぁ
「・・・はい、今日はここまでだ
明日からは掃除当番あるからサボるなよ!」
「は~い」
皆で返事をする
「じゃ、さよなら~」
皆帰っていく
まなちゃんは廊下にでた中野君を追った
雨宮君は鞄を枕にして寝てる
こう見ると可愛かったりする・・・
そぉっと頬に手を伸ばす
ガシッ
「ふぇ?」
手首を掴まれた
行きなりの事で思わず間抜けな声が
出てしまった・・・恥ずかしいなぁ
私の手首を掴んでいたのは
雨宮君だった
「あ、雨宮、君・・・?」
目をパッチリとあけて
ジーッと私を見てくる
姿勢は寝たままだから上目使いに
なってるし・・・可愛い
「何」
「え?」
「何しようとしてた」
「あっ・・・」
「早く言えよ」
手首に力が込められて痛くなる
「あ、雨宮君、痛いよ」
「早くしろよ」
なんか段々泣けてきちゃったな
痛いし怖いし何が何か解んないし
雨宮君の顔が滲んできた
「・・・ごめ」
そんな私に気付いたのか
少し顔をしかめて手首を離してくれた
溢れそうになってきた
うつ向いて顔を隠す
「泣きたい時は
泣けばいいんじゃねぇの?」
「え?」
「言いたい時は
言えばいいんじゃねぇの?」
雨宮君が私の方を見ずに言った
そんなこと言われたら・・・
ほら、涙が一粒・・・
