優子から聞いた話は、こうだった。
告白の時間に屋上に来たのは、周防先輩本人ではなく、親衛隊の上層部にあたる数名だったらしい。
彼女らは周防先輩から伝言があるとニヤニヤしながら、たった一人の優子を取り囲み、その伝言をつらつらと言ってのけたのだ。
その内容は「あんたに興味ない。こういう呼び出しとか迷惑だから、今後絶対にしないで。あと、話しかけるのもやめて。迷惑だから。つまり、あんたそのものが迷惑の塊。消えろ、ブス」というものだったそうで、優子はそれを泣きながら私に伝えてくれた。
「……ごめんね。そんな辛いセリフ、優子の口から言わせちゃって……」
「ううん。大丈夫……」
「それにしても……あの男、そんな奴だったなんて……こうなるなら、私も着いてきたらよかった!」
当事者の優子より憤ってはいけないとは思うけど、大事な親友を傷つけられたことはすごく心が痛い。
なにより、こんなに傷ついた優子を一時間も一人にしておいた自分に後悔していた。
