一限後、優子にメールを送ると、屋上にいる、と返信が来た。
すぐにそこへ走っていくと、優子は日陰でうずくまって泣いていた。
「ゆ、優子!?どうしたの!?」
「ふえぇ……凛ー!!」
私を見つけるなり、凛はさっきの比じゃない位に泣き出した。
振られたのかな、と考えたけれど、そういうのより、もっと、屈辱に耐えていたような感じが、私の体に精一杯しがみつく腕から感じ取れた。
「優子、何があったの?」
「う、うぅ……振られたの……」
「本当に、それだけ?」
「それだけって……十分すぎるダメージだよ!」
「そうじゃなくて」
すっかり興奮している優子の頭を撫でる。
少しでも話を聞いて、少しでも力になりたい。
「優子、もしかしてだけど、振られる以上の何かひどいこと、されたか言われた?」
「……」
不思議なくらい大人しくなった優子から、少し体を離して顔を覗く。
すると、優子は驚いた表情で「なんでわかるのぉ!!?」とさらに強く抱きついて泣き始めた。
「当然じゃん、親友なめんな」
そう言って笑って見せると、二限目のチャイムが鳴った。
けれど、暇つぶしの授業よりも、親友の方が私には重要だったので、その音は笑って無視した。
