Secret Lovers

翌日、私はやたらと早く待ち合わせ場所にたどり着いた。
朝だというのにため息が出てしまう。
というのも、昨日読んだ漫画に、ちょうど昨日のようなシチュエーションが載っていたのが原因だ。
しかも、その場面で恋が芽生えているという。

“まぁ、主人公可愛いし、男子の方も最初から主人公を気にかけてたし、そもそも、漫画なわけだけど”

自分の理科実験室での出来事をプレイバックすると、可愛げのなかったことこの上ない。

「凛!おはよー!」

ふわふわとした髪をポニーテイルにまとめ上げた優子はのんびりとやってきた。
時間ぴったりだ。

「凛、昨日どうしたの?電話したのに」
「ごめんごめん、学校で携帯落としてしまったみたいでね。私も電話したかったんだけど……」
「どうしたの?」

私は昨日の一連の流れを優子へ説明した。
聞きながら優子は驚いたり、渋い顔をしたり、苦笑したりしていたけれど、最後まで頷いて聞いてくれた。

「……ねぇ、優子、私、あの人落とせるかな……?」
「んー。どうかなー」

いつになく曖昧な返事をする彼女に、私はかなりの不安に陥った。
優子が言うのだから、本当に難しいのかもしれない。
やはり私はとんでもないことを言ったのだ、とうなだれてしまった。