Secret Lovers


「私は、優子みたいに、目も大きくないし、髪はフワフワロングじゃない。性格も可愛くない。猫みたいにつり目で、髪だってあまり手入れしてないし、化粧品とか『何それ?』状態だし……!でも、優子を傷つけたあいつが許せないの!」
「り、凛!落ち着いてよ!それなら、私がやるべきだよ!私がされたんだから!」

優子の目がまた潤み始める。
さっきの親衛隊たちのことを思い出してしまったのだろうか。

「ううん、ダメ!優子にはもっと楽しい恋をしてほしい!もう、あいつのことで傷つかないでほしいの!」
「でも……」
「大丈夫!心配しないで!」

ハンカチなんて女子力は持ち合わせてない。
私は自分の制服の袖で、優子の涙を拭ってあげた。
「化粧が付いちゃうよ」と優子は顔を背ける。
口元が少しだけほころんでいたのを見て、私の無鉄砲もたまには役に立つものだ、とちょっと心が軽くなった。

「優子、約束するね!私が、あのいけ好かない王子様、落としてみせる!」
「……うん!」

優子はまた涙を流しながら、でも、ちゃんと笑っていた。
やっぱり、私の親友は可愛い。