Secret Lovers


「ありがと、凛……。でもね、私、恋愛は個人の問題だと思うの」
「その個人問題に第三者を出してきたのはあっちじゃん!」
「それでも!」

優子は手のひらをギュッと握った。
それを見て、一番傷ついているのが優子であることを忘れかけていた自分に気づいた。

「それでも、ね、凛。相手がズルしたからって、こっちまでズルしたら、そこで相手と同じになっちゃうんだよ。向こうが何をしても、私はフェアでいたいの!」

優子は、もう泣いていなかった。
とはいえ、悲しくないわけが無いと思う。
強がっているのだ。
周防先輩に、何らかの仕返しをしたい気持ちはある。
けれど、彼女のルールを曲げるのは親友としてはできることじゃない。