私達三人はデートもいつも一緒だった。
けど、日常にはときたま予想外な展開が起きる…仲良し三人組にも起きた。
突然三人デートから、二人っきりデートになったのだ。
中川家が、熱を出したからだ…。
予告なしのデートは私達に、中川家の存在感の大きさを痛感させた。
盛り上がらなかったのだ…。
2人きりのデートはギクシャクしたまま終わり、お互いにやり場のない思いを抱えたまま、終了となった。
もこみちに家の前まで送って貰い
「サヨナラ」
を言いかけた時、もこみちが
「楽しかったね」
と私に言った。
その時、初めて私自身が、もこみちとの2人きりでのデートを自分自身の気持ちで潰していたんじゃないかと思った。
中川家を気にし過ぎではなかったのか?
そう感じたら、私はもこみちに大きな罪悪感が沸いた…。
そして、このまま別れてはいけない気がした…。
私は、帰ろうとするもこみちを引き止めた。

「部屋に上がってお茶飲む?」
私の言葉に
もこみちが驚いたように目を見開いた。
それを見た瞬間、
自分がバカな事を言った気がした…。
焦って訂正しようとした時、もこみちの手の中で、携帯が鳴った。
中川家の着信音だ…。