【短】50-50 フィフティ・フィフティ



「ん…ヤじゃない……けど、夜は予定があるから、それまでなら…」


カールした髪の毛を指に絡ませながら、私は答えた。







部屋の中は簡素だった。

白くて大きなベッド、ベージュのカーテン、茶色いカーペット。


きっと観光ホテルのつもりで建てて、客が入らなくてラブホにしたのかな。


部屋の中に入ってすぐに、抱き合ってディープキス。

そのまま、ベッドの上に押し倒された。


チュッ、チュッ、チュッ…


私の首筋に、たくさんのキスの雨を降らせる松本さん。


ブラウスのボタンを外そうとする
彼の手を私は軽く払いのけた。


洋服を引っ張られたり、そこら辺の床に放置されるのが我慢出来ない。


「ちょっと待って」


上半身を起こして、自分から服を脱ぎはじめた私に、松本さんは少し驚いていた。


「風呂を溜めてくるね」


時間制限を思い出したのか、ボクサーパンツ一枚の姿でバスルームへ急ぐ。


彼の下半身が盛り上がっているのを、私はしっかりと見た。


水の音がする間、ベッドに寝転び、白い天井を見ていた。