愛してもいいですか




翌朝、駅から会社へ向かうべく、私はよく晴れた秋空の下をカツカツと歩く。



「……ふぁ、」



やっぱり松嶋さんと会った翌日は眠い……。週末の夜に会えれば一番いいんだろうけど、お互い忙しいし。

こぼした大きなあくびに、吹いた風が巻かれた毛先を揺らした。



そしてやってきた会社で、自動ドアを通り社内に入る。すると一番に目に入ったのは、会社のロビーで女性社員相手にへらへらとする姿。日向の、姿。



「おはよー、高木ちゃん。今日も可愛いねぇ」

「おはようございます。もう、相変わらず口が上手いんだから〜」

「本当だって。あ、この書類、部署で配っておいてね」



日向はチャラチャラとした様子で女性社員へ話しながら、彼女の肩に腕を回す。



あ、あの男はまた……!最近少し見直したと思ったら、やっぱりそういうことろは変わらないのね。

相変わらず軽々しいその態度にイラッとし、私はその光景を無視するようにカツカツとエレベーターへ直進した。

ところが日向はそんな私に気付くと「あっ」と追いかけてくる。