愛してもいいですか





「わぁー……」



やってきた、原宿の少し奥に入ったところにある裏原宿の一角。

そこにある小さな建物の中には、真っ白な壁とその色を引き立てる、日差しの入る大きな窓。品のある柱の彫刻と、所々に金色の模様……と、まるであの有名なヴェルサイユ宮殿を彷彿とさせるような豪華で上品、それでいて小ぶりで可愛らしい、なんとも雰囲気のある内装が広がっていた。



「まだ奥の方は建設作業中でして、危ないのであちらには近付かないでくださいね」

「ですって、社長」

「すごーい、綺麗……素敵ー!」

「……聞いてないですねぇ」



中を案内してくれる、ヘルメットを被ったスーツ姿のデザイン担当責任者の男性社員の話もそっちのけで、私はキョロキョロと辺りを見回す。



「壁の白さも、所々のアンティーク感もすごいこだわりね。まるでお城みたい」

「えぇ。原宿といえば、そういったものを好む方々の聖地ですから。経営者の方の意向で存分にこだわりたいとのことで」

「あっ、あの天井の真ん中にはもちろん大きなシャンデリアよね!」

「はい、よくお分かりで」



まるで自分がその世界にトリップしたかのような気持ちになる。まだ内装だけで、インテリアやテーブルたちもないというのにこんなに浸れるなんて……本当に完成が楽しみ。

はしゃぐ気持ちのまま店内をくまなく見ようと歩き出す。すると突然、ツンッとスーツのジャケットを引っ張られる感触に足を止めた。