「……言ってくれれば自分で直すわよ」
「俺がしてあげたいんですよ」
照れを隠すように不満げに言うものの、それを分かっているのかいないのか相変わらず笑顔のまま私の頬をツン、と指でつつき、やってきたエレベーターへ乗り込んだ。
……相変わらずチャラチャラしているんだから。
今朝もそうだけど、いきなり触れられたらびっくりするじゃない。いや、まぁいい加減私もこいつの過剰なスキンシップにも慣れればいいんだけどさ。
つつかれた頬をさすりながら、その指先の優しい感触を思い返す。
「架代さーん?置いて行っちゃいますよー?」
「今行く!」
それがこの男にとっての普通でも、私にとっては、そうじゃないんだから。



