「ふぁ……」
翌朝、出勤してきた私は一階のエレベーター前で、エレベーターがくるのを待ちながら大きなあくびをひとつした。
昨日は帰りが深夜遅かったからなぁ……。松嶋さんと話してると楽しくて、ついつい遅くなっちゃうんだよね。
松嶋さんは大丈夫かな、仕事に影響出ていないかな。
「そーんな大きなあくびして、昨夜はお楽しみだったんですねぇ」
「え!?」
すると突然、その言葉とともに肩を抱かれた。
何事かと横を見れば、それは今日もへらへらと笑う日向。グレーのスーツに白と黒のチェック柄のシャツを合わせた格好で、右手は書類を持ち、左手は私の左肩をしっかりと抱いている。
「……おはよう、今日も過剰なスキンシップね」
「いやぁそれほどで……いたたたた」
その左手の甲を容赦無くつねると、日向は痛そうにすぐにパッと手を離した。



