愛してもいいですか




「……俺だっていい秘書なのに」

「調子がいいだけでしょ」

「失礼な!いいですよ、いつか俺のほうが神永さんより優秀だって認めさせますから!なぜなら、架代さんの秘書は俺だから!」

「どうでもいいけど馴れ馴れしく『架代さん』って呼ぶのやめてくれない?」



なに訳の分からないことを気にしているんだか……。

よしっ、と気合を入れ直す日向に私は神永から渡された紙袋を渡す。『どこかに置いておいて』と言わなくとも、自然と日向はそれを社長室の外にある給湯室へ持って行った。

時計を見れば、時刻は既に午前九時。そういえば今日は十時から会議だっけ……。



「あ、架代さん。今日会議ですよねー?俺も同行しますので!」

「えぇ、わかった」



そんなこちらの考えを読むように、日向は廊下からひょこっと顔を覗かせ言う。