く、くそっ……完全にバカにされている!!
近付いた顔に『まずい』と思うと同時に、一瞬、ほんの一瞬でもドキッとしてしまった自分が憎い!!
恥ずかしいやらむかつくやら、入り混じる様々な感情にイライラとまた書類を手にとった。
その時、コンコンと鳴らされたドアの音。
「はい、どなたですか?」
「神永です」
問いかけた日向に、ドアの向こうから聞こえてきたのは、久しぶりに聞く低くよく通る声。
日向が「どうぞ」とドアを開けると姿を表したのは案の定、眼鏡をかけた真面目そうな男・神永だった。
「お久しぶりです、架代社長」
「神永!どうしたの?めずらしい」
日向よりさらに高い背をし、真っ黒なスーツがよく似合う。一ヶ月前と大差ないのは当然だけれど、それまでが四年間毎日顔を合わせていただけにすごく久しぶりに感じられる。
久しぶりに神永に会えた、という嬉しさについ席を立つ私に神永もにこりと笑いこちらへ近付いた。



