それから一晩明けた翌日。いつも通りの時間に出勤してきた私は、心なしかどこかはずむような足取りだ。
昨日は楽しかったなぁ……。
松嶋さんと出会えて、変にがっつかれたりもしないで楽しく会話が出来た。帰ったらすぐ連絡があって、週末にまた食事でもしようって約束もしたし。
私にもようやく恋愛のツキがまわってきたのかも……!
ふふ、と思わずにやける顔をこらえながら最上階に着いたエレベーターを降り、ガチャッと社長室の大きなドアを開ける。
「おはようございます、架代さん!」
今日もまたそこで出迎える胡散臭いくらいの満面の笑みに、私の顔は相変わらず嫌な表情となった。
「……おはよう。朝から不快なくらいいい笑顔ね」
「いやぁ、いい笑顔だなんて褒めていただき光栄です!」
……って『不快なくらい』は聞こえないのね。
笑顔で書類の整理をする日向に、私はバッグをかけるとすぐさまデスクに着き、既に用意された書類たちへ目を通す。



