「松嶋さん、はお仕事は?」
「不動産会社に勤務してます。高台不動産、っていう」
「高台不動産?すごい、有名企業じゃないですか」
「平社員ですけどね。今日も上司が行くからって付き添いで連れてこられただけで」
高台不動産といえば、うちの会社とも関係のある、不動産関係の中でも有名な企業。けどそれを誇らしげに言うわけでもなく、あははと笑った。
なんか……柔らかくて爽やかで、いい感じの人かも。感じる好感触に、上手くいきそうな気がする。
「宝井さんは、お仕事は?」
「あ……えと、会社、員、みたいな」
「じゃあ俺と同じようなものだ。あ、よかったら連絡先交換しません?」
「えっ、いいんですか?」
「いやぁ、こんな美人と連絡先交換なんて恐れ多いけど」
つい嘘をついて隠した自分の役職にも彼は疑問を持つこともなく、笑顔で携帯を取り出した。
「今度、二人でご飯でもどうですか?」
「えっ、いいんですか?」
「はい。宝井さんのこと、もっと知りたいというか……仲良くなれたら、嬉しいなって」
少し照れたように言うところが、また可愛らしい。仲良くなれたら、なんて……嬉しいと感じるとともに心がキュンとする。
「は、はい、こちらこそよろしくお願いします」
優しげて、笑顔の可愛い素敵な人。そんな印象の松嶋さんとはその後、時間いっぱいまで話をした。お互いのことを少しずつ知って、パーティが終わる頃には結構打ち解けられたと思う。
人懐こいけど日向みたいに軽っぽくない。さりげない気遣いもきちんと持ち合わせていて、話していてすごく楽しい人だと思った。
もしかしたら彼となら、幸せな恋が出来るかもしれないと、そう予感させた夜だった。



