「はい、もちろんです」
その瞬間、響いた声は久しぶりに聞くよく通る声。
この声……?
驚きながら、声のした方向である中庭側を見ると、そこには開いた戸の前に立つ日向の姿があった。
いつも通りのスーツ姿。けれど髪もグシャグシャで額には汗を滲ませている日向に、驚きのあまりすぐに声が出てこない。
なんで、日向が……ここに?
「な、なんだ!?誰だ!?」
「俺は、どんなあなただって愛します」
何事かと声をあげる三好さんたちを気にする様子もなく、日向はただ真っ直ぐに私を見て言う。
「あなたとなら何だって背負ってもいいし、支えてみせる。隣にいられるのなら、どんなに苦労をしても構わない」
「日、向……?」
「家事が出来ない?なら一緒にやっていきましょう。他人に土下座する?なら俺も同じように土下座しましょう。どんなあなたでも、傍にいます」
ここまで走ってきたのだろうか、少しあがる息の中でただひたすら、まっすぐに伝える言葉。
遠回しな言い方も、飾る言葉もない。それはきっと、彼の本当の気持ち。
「社長で、強くて弱い女性で、少し照れ屋で早とちりで、そんな架代さんのことが、好きだから」
私を想ってくれているという、気持ち。



