愛してもいいですか




けど私には、あんな男の扱いに頭を悩ませている暇なんてない。仕事はもちろん、他にやらなきゃいけないことがあるんだから。



「よし!完璧!」



その日の夜、とある高級ホテルのトイレで私は鏡で身なりを確認して気合を入れる。

昼間より濃いめの赤のグロス。念入りに塗り直したファンデーションに整えた髪。仕事帰りの足で来たから服はそのままスーツだけど……まぁ、フォーマルではあるよね。



何をこんなに気合を入れているのかというと、今日私が来たのは俗にいう婚活パーティ。しかも六本木にある高級ホテルのホールで行われる、社長や医者、もしくは有名企業の社員ばかりの集まるリッチなもの。

というのも、実は私にも結婚願望というものがある。けれど『社長の娘』という立場のせいか、昔から寄ってくる男はお金や家柄目当てばかり。

おかげですっかり男性不信になる……かと思いきや、開き直った私は、こうなったら自ら誠実な人を見極めるしかないと思った。

その結果、こうして度々自ら婚活パーティに足を運ぶこととなっているわけだ。こういうリッチな婚活パーティにくるような相手なら、自分のお金を目的にするような人もいないだろうし。