愛してもいいですか




「お、俺の為に、ですか?」

「……この前、部屋の掃除してくれたから。お礼よ」

「お礼……」

「い、言っておくけど、私クッキーなんて初めて作ったんだからね!?本見ながらで……でもあんまりよく分からなかったから、美味しくなくても仕方ないっていうか……」



自信がないのだろう、ごにょごにょと言い訳をする彼女に、俺は袋を開けるとクッキーを一枚取り出し、パクッと食べた。



「ど……どう?」

「うん、ボソボソして味もなくて非常に美味しくないですね!」

「なっ!?」

「でも、愛を感じます」



わざわざ俺の為に、作ってくれた。このいびつな形一つ一つに、感じるのは手作りの愛情。

ふふ、と笑う俺に彼女は少し恥ずかしそうに頬を染めた。



恥ずかしがり屋で可愛い人、そんな姿にまた笑えてしまう。