容赦無いワガママに、その顔は一度苦笑いになるものの「わかりました」と頷く。
「あ、おつりはあげるわ。コーヒーでも買えば」
「いいんですか?やった、架代さんのそういう優しいところ大好きです」
嬉しさを表すように私の手をぎゅっと握った日向に、私はバッと手を払う。
「むやみにベタベタしないで。それと、私は『架代さん』じゃなくて『社長』!馴れ馴れしく呼ばないでくれる?」
「いいじゃないですか、『宝井社長』じゃお父上と被りますし……」
「つべこべ言わないでさっさと行け!」
「はーい!!」
こうして会話をしていると、きりがなくなってしまいそう。その会話を終わらせるように強く言うと、日向は元気よく返事をしてバタバタとその場を後にした。
「ったく、チャラチャラした男……」
一人となった室内でため息をつくと、大きなガラスの応接用テーブルに置かれたグラスを手に取るとお茶を一口飲む。ひんやりとした冷たさが、喉に気持ちいい。



