愛してもいいですか




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それから一ヶ月が経ち、今に至るというわけだけれど。



「ではこの書類と資料、目を通しておいてくださいね。あ、あとこちらには確認後サインをお願いします」

「えぇ。その前に喉が渇いたわ、お茶」

「はいはい、濃い目の日本茶ですね」



愛用の大きなデスクに乗った書類を目の前に頬杖をつく私に、日向はテキパキと部屋を出て冷たいお茶の入っているグラスを手に戻ってくる。



「冷たいのじゃなくて、熱いのがいい。体冷やしたくないの」

「熱いの、ですか?でも今熱いお茶用の茶葉、ちょうど切らしてて……」

「じゃあ買ってきて。熱いのじゃないと飲みたくない」



手元の財布から千円を手渡す私に、日向は応接用のテーブルにグラスを一旦置いて、それを受け取る。



「分かりました。他に買うものはありますか?」

「“餡子屋”のたい焼きが食べたい。買ってきて」

「餡子屋って……一番近い店舗で銀座じゃないですか!」

「えぇ。だから銀座まで行って買ってきて」