「……はぁ。よかった、上手くまとまって」
とりあえず後は、この二日でデザインを完成させれば大丈夫……。まぁそれもまた大変なことではあるけれど。
脱力したように息を吐くと、無言の日向から伸ばされた手。その指先はそっと、私の前髪に触れる。
「ん?どうかした?」
「ゴミ、ついてます」
「え?あ、さっきので……」
恐らく先程、床に頭をつけたときについたのだろう。小さな埃をそっと取る日向の顔は、いつものへらっとした顔とは違う。怒っているような、不機嫌そうな顔。
「日向?どうしたの?」
「あなたはバカなんですか?」
「へ?」
ば、バカ?
まさかそんなことを言われるとは思わず、キョトンとしてしまう。
「ば、バカってなによいきなり……」
「バカですよ、大バカ。会社のトップが軽々しく土下座なんてして……しかもたかが取引先の専務相手に」
「なっ!?仕方ないでしょ!あそこの会社、取引は実質専務次第なんだから!」
「そんなの、俺に任せておけばいいんですよ!!」
「え……?」
初めて聞く、日向の苛立ったような声。
怒っている?そんな、どうして日向が……?



