愛してもいいですか




「ま、前田社長……この度は弊社の社員が、」

「君の謝罪はさっき聞いたよ。とりあえず頭を上げなさい」



伊東常務とは打って変わって人の良さそうな社長は、はははと笑って私の頭を上げさせた。



「まぁ今回の件はね、もう同じことが起こらないようお願いするよ」

「は、はい……必ず、お約束します」

「信用しているよ。私は君が宝井社長の娘だから仕事を任せているわけじゃない、J.I.デザインのデザインが好きだから任せているんだからね」



うちの会社のデザインが、好きだから……。



「で、ですが社長……」

「それに、今日は休みで出先にいたんだろう?そんなおしゃれな格好も台無しになるくらい必死になって駆けつけて、会社のために土下座なんて、普通の若い子には出来ないだろう」



渋る伊東常務を気に留めることもなく、社長は笑い私の肩へ手を置く。



「そんな君だから、信頼しているよ」

「あ……ありがとうございます!!」



その信頼が、私の選択は間違っていなかったんだって教えてくれる。

ヒールはボロボロ、踵も靴擦れで真っ赤になって、白い服は汗にまみれ、髪もボサボサ。だけど、よかった。自分にできることを、やりきることが出来た。そのことだけが、ただただ嬉しい。