愛してもいいですか




「ん……あぁ、やっと女社長のお出ましですか」

「え……?、!?架代社長!?」



こちらに気付いた伊東常務の視線に、日向たちもこちらを見てようやく私が来たことに気付いたらしく、社員たちはもちろん、それ以上に日向は驚き声をあげる。



「なんでここに……!?」

「日向、話はあとで。すみません、伊東常務。あらかたの話は聞いております、この度は弊社の者がご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした」

「ふん、社長に頭を下げられようと無駄だ。うちの担当者の話では、デザインを出すよう頼んだ期日は遅れるし、確認しようにも担当者は退職済み。新しい担当も定まらないし、ようやく上がってきたデザインもこちらの出したコンセプトとは全く違うもの。うちをバカにしているとしか思えん」



深々と頭を下げるも、返される言葉に耳が痛い。だいたいのことは神永から聞いてはいたけれど、ここまでとは……。



「……デザイン部部長の竹中部長、全て事実ですか?」

「は、はい……前担当の田辺が全てを任されていたのですが、急な体調不良で退職しまして、いかんせん本当にいきなりだったもので引継ぎ作業も満足に出来なくてですね……」



恐らく同じ説明を皆に何度もしてはいるのだろう、デザイン部部長の男性社員は汗をダラダラとかきながら細かく説明をする。けれどやはり、私から聞いてもそれは言い訳にしか聞こえない。

それは伊東常務から聞いても当然同じらしく、その眉間にはより深くシワが寄る。