愛してもいいですか




そのままひたすら走りながら神永に電話をした私は、しばらく走ったところでようやく迎えに来た神永と合流することが出来た。

車に乗り込んだ化粧も崩れ、ひどい格好をした私に神永は何事かと驚いていたけれど、整える余裕もなく大急ぎでエムスター・コーポレーションのビルへと向かった。

そしてようやく到着した大きなビルの前で、私はバタバタと車を降りる。



「神永ありがと!行ってくる!!」

「ついて行かなくて大丈夫ですか?」

「大丈夫!あんたは急いで自分の仕事に戻りなさい!!」



そして建物へ駆け込むと、受付で事情を話し社員たちがいるという会議室へと案内された。



「失礼します、J.I.デザインの宝井と申……」

「本当に、申し訳ございませんでした!!」



ドアをノックしてから返事を待つ間も惜しく、私はすぐさまドアを開けた。瞬間、聞こえてきたのはフロア中に響き渡るほどの日向の大きな声。



日向……?

見れば目の前の広い会議室の中では、不機嫌に椅子に座る五十代くらいのスーツの男性……エムスターの常務、確か伊東といっただろうか。その伊東常務に向かい、頭を下げる日向を始めデザイン部の男性社員二名と女性社員が一名、という光景があった。