私、最低だ。
理想の相手と出会っても、結局は仕事優先で、こんなことをしていたら一生結婚なんて出来ないかもしれない。
だけど、自分の心に嘘をついてやるべきことをやらずにいるなんて耐え切れないよ。そんな社長になるために、これまで頑張ってきたんじゃないもの。
青空の広がる素敵な景色を目の前に、折角セットした髪も振り乱し駆ける。
走ることに慣れていないこの体はすぐに息をあげ、おまけにヒールの足元は不安定で、みっともない格好で転びそうになりながら走って、走って、走って、気付いてしまった。
私はきっと、彼の望みを叶えることは出来ないこと。
理想は優しくて誠実で、自分を想ってくれる人だけど、それだけじゃだめなこと。
私は、女としても社長としても、生きていきたい。そんな欲張りな私を、受け止めてほしい。
譲れない、強い思い。



