悩むうちにも一日、一日と時間は流れ迎えた土曜当日。
自宅である小さなマンションの一室、2LDKの部屋の中では鏡に向かい身なりを確認する私がいた。
ベージュ色のジャケットに、白いチュニックと黒のミニスカート。いつも淡いピンク色ばかりのネイルも少し濃い目のピンク色にきちんと塗り直したし、髪もいつもよりきつい印象にならないようにゆるく巻いて……よし、完璧だよね。
この前の告白もあって少し気まずい気持ちもあるけど、でも折角のデートだもん。気持ち切り替えて、楽しもう。
なにも今すぐ答えを出さなきゃいけないわけじゃない。ゆっくりしっかり考えて、答えを出そう。
「……うん、」
よし、と気合を入れたところで丁度ヴー、と鳴る携帯。画面を操作して内容を確認すれば、そこには『つきました』と松嶋さんからのメールが一通届いていた。
それを合図に散らかったままの部屋を後に、マンションを出た。
閑静な住宅街のなかにある、私の住むマンション。その前に止まっているのは、綺麗に光る白のセダン。車の種類に疎い私には価格相場はよく分からないけれど、見た目からして高そうな車だというのは分かる。
その運転席には、珍しい私服姿の彼がいた。
「松嶋さん」
「宝井さん、おはようございます。どうぞ乗ってください」
「お邪魔します」
窓を開け挨拶をかわす松嶋さんに、彼から見て左側にある助手席に示されるがまま乗り込んだ。
綺麗に整理された車内は、少し甘めの芳香剤がほんのりと香る。



