「わ、悪い!?いいでしょ、たまには!」
「はい。別にいいんじゃないですか?どうぞ、楽しんでらしてきてください」
至って変わらぬ様子の日向はそう流すように言うと、手帳を胸ポケットにしまうと、また先程同様ファイルを手に取る。
変に察しのいい男め……。
でも、もしも。もしかしたら。日向なら、このモヤモヤと悩む私の気持ちをはっきりとさせる答えを持っているかもしれない。ふざけていても時折核心をしっかりと突く、日向なら。
そんな小さな期待をして、私は止めていた手をキーボードから離した。
「ねぇ、聞いてもいい?」
「はい?」
「もし、もしも、よ?私が『相手に仕事辞めるように言われたから、退職して結婚します』って辞めて行ったら、どう思う?」
突然のその問いかけに、日向は一度固まりうーんと首を傾げる。
「え?うーん……そうですねぇ、軽蔑しますかね」
「軽蔑!?」
そ、そこまで!?
まさかそんな言われ方をするとは思わず驚くものの、その顔はさも当然といった様子だ。



