愛してもいいですか





時刻は夜二十三時近く。食事を終えお父さんたちと別れた私と日向は、二人車に乗り夜の街を走っていた。



「あの店、美味しかったですねぇ」

「そうね、なかなか」



つい話が盛り上がり、気付けばこんな時間だ。疲れからついあくびがこぼれる私の隣で、日向はしっかりと前を見据えハンドルを操作する。



「でも、さすが架代さんのお父上ですね」

「え?」

「真っ直ぐで優しいところが、そっくりです」



にこりと微笑んで言う言葉から、先程の会話を私が聞いていたことを気付いていたらしい。

照れ臭さから視線を窓へと向けると、窓の外には、流れるように通り過ぎる街の灯り。



真っ直ぐで優しい、か。大らかで、私のことをよく知ってくれている人。だからこそいつも、その言葉は素直に受け止められる。



「……私、こう見えて特別に反抗期とかないの」

「え?」



唐突に話し出した内容に、日向はきょとんとする。けれど気にすることなく私は話を続けた。



「父親を気持ち悪いなんて思ったことないし、寧ろそう言う友達の気持ちがよくわからなかったし」

「へぇ、意外ですね」

「でしょう?よく言われる」