「やっぱり俺が見立てた通りですね。お店の人も『いつもシンプルな物ばかり着てる』って言ってましたから。でもピンクとか着るタイプでもないでしょうし」
「真っピンクだったら目の前で捨ててやったのに」
「あはは、このドレスだったら捨てられないでしょう?」
予想通りと笑う笑顔がまたちょっと悔しいけれど、反論出来ない。ふんっと顔を背けると、それすらもまたおかしそうに日向は笑う。
「では、行きましょうか」
そして、エスコートするように差し伸べられる手。その手をそっと取り、歩き出す。
「ようこそいらっしゃいませ、どうぞごゆっくりお楽しみくださいませ」
「えぇ、ありがとう」
一歩足を踏み入れれば、ホールの中は沢山の人がおり、豪華な料理が並んでいる。
流れるクラシックの音楽とがやがやと人々の話す声をBGMに、歩いて行く。
「さすが大手不動産のパーティ、建設業を中心に沢山の人が集まってますね」
「本当、人多い……」
「あっ……宝井社長、ですよね?J.I.デザインの」
日向に連れられるまま人と人との間を通り、少し空いたスペースへと出る。すると唐突に声をかけてきたのは、どこかの会社の社長か息子か……まだ若い、年下であろう見た目の男性。質のいい高そうなスーツを着ている。



