I love you に代わる言葉

<今日煌宝行こうぜ>
 ……。
 顔色一つ変えず、物音一つ立てず、ケータイを元あった場所へ素早く仕舞う。
 見なかった事にした。いちいち腹を立てるのも何か奴に反応を示してやる事も面倒だったから。
 廊下側、前から三番目の席が今井の席だ。ボクは窓際の後ろから二番目の席だから、今井よりも後ろに位置する。だから奴がこちらを見ているのが嫌でも視界に入るが、今井には一切目を向けず、それに気付いていないフリをした。
 今井が前を向いたから諦めたのかと思ったが、暫くして、
「日生君」
 隣の席から遠慮がちに小声で名を呼ばれた。
 一学期の間ずっと隣だったが話した事のない女子だ。不思議に思いそちらを見れば、「これ……」と言って白い紙を差し出された。