I love you に代わる言葉

 ボク等は公園を目指して歩き出す。何処で伝えようかと思っていたが、本当に都合がいい。不思議と、ボクは緊張していなかった。当たって砕けろと自棄になっている訳でもなければうまくいくだろうと過信している訳でもない。先刻の夢が、ケンヤから引き継いだバトンが、ボクに勇気を与えてくれたのかも知れない。
 公園へ向かう道中、おねーさんは静かに言葉を紡いだ。
「日生くんと……ゆっくりお話したかったんです。『約束』もありますし」
「……約束?」
 問うと、おねーさんはクスッと笑った。
「日生くんが私に天使の置物をくれた日……『また今度話す』と言った事を覚えてますか?」
「ああ……あれか。言い掛けてやめちゃったやつだね。『今度』って今日の事だったんだ?」
「……はい」
「話してくれるんだ?」
「……はい」
 返事と共に小さく頷くおねーさんの表情には、誰にも揺るがす事の出来ない決心が窺えるようで、何をボクに告げようとしてるのか、楽しみでもあり不安でもあった。