I love you に代わる言葉


 身体がビクッと跳ねる感覚がして、ボクはハッと目を開ける。すると、心配そうに顔を覗き込むおねーさんの顔が映った。ふわりとした笑顔と、優しい声に現実に引き戻される。
「大丈夫ですか? もうすぐ着きますよ」
 言葉で、ここがまだバスの中だと知った。というか思い出した。心地悪くなった体勢を変える為、ボクは身動きする。
「なんか……暑いね」ボクは呟いた。
「外が冷えるから、車内は暖房が効いているんだと思いますよ。日生くんの座席は……ほら。私の所より当たり易いのだと思います」
 おねーさんはそう言ってボクの頭上を指差した。
「……ああ、ホントだ」
 確かに、温風が直に当たる。
「風向変えましょうか」
 おねーさんはそう言って立ち上がろうとしたけど、それをボクは制止した。
「いいよ。自分でやるから」
 ボクは手を伸ばして風向を変えると、スッと左腕を下ろした。