I love you に代わる言葉



 帰りのバスの発車時刻が十八時台。目的のバスに乗車するには一時間弱余裕があったが、ボク等は特に何処にも寄る事なくひたすらバスを待っていた。お腹は空いてませんか? と途中尋ねられたけど、ボクは無言で首を縦に振るだけだった。
 意外と体力を消耗していたのか、乗車して着席した瞬間に身体がぐったりと倒れる感覚に陥った。実際はそんな事なかったけど、背凭れにどっと身体を預けるととても楽だった。
 おねーさんは相変わらず背筋をピンと伸ばして座っている。同じように疲れている筈なのに、眠そうな顔すら見せないし気だるげに姿勢を崩したりもしない。そういえば、眠そうにしていたり目を擦っていたり欠伸をするおねーさんなんて見た事が無い。僅かな弛緩すら何処にも表さない様を見て、気を張り過ぎているんじゃないかと少し心配になるが、ボクは何も言わなかった。今のような隙の無さも、ボクには丁度いいし好きだったりするし。