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おねーさんは墓地の入り口で天(そら)を見上げていた。ボクのジャリジャリと鳴る足音をその耳に聞くと、静かにボクを振り返る。
「あ、日生くん。……謙也に何を?」
ボクは薄く笑みを浮かべながら一言、ヒミツ、そう言った。
「ふふ、そうですよね」
おねーさんはそう言って、ボクの返答がさも当然であると言いたげに笑っただけだった。
どちらともなく歩き出し、大きな道へ出る為に小さな坂を下る。下った先でおねーさんは不意に立ち止まり、天を見上げた。
「雨上がりの天ってきれいですよね。雲間から差す光を、『天使の梯子』というのを知っていますか?」
おねーさんは何処かうっとりとした様子で、天を見上げたまま尋ねてくる。その視線が向かう先を、ボクも一緒に見た。
「聞いた事はある。小説とかでよく見かける言葉だし、タイトルになってる事もあるね。正確には薄明光線、って言うんだっけ?」
そう言うと、おねーさんはパッとこちらに顔を向けて感心したように目を丸くさせると、ふわりと笑った。
おねーさんは墓地の入り口で天(そら)を見上げていた。ボクのジャリジャリと鳴る足音をその耳に聞くと、静かにボクを振り返る。
「あ、日生くん。……謙也に何を?」
ボクは薄く笑みを浮かべながら一言、ヒミツ、そう言った。
「ふふ、そうですよね」
おねーさんはそう言って、ボクの返答がさも当然であると言いたげに笑っただけだった。
どちらともなく歩き出し、大きな道へ出る為に小さな坂を下る。下った先でおねーさんは不意に立ち止まり、天を見上げた。
「雨上がりの天ってきれいですよね。雲間から差す光を、『天使の梯子』というのを知っていますか?」
おねーさんは何処かうっとりとした様子で、天を見上げたまま尋ねてくる。その視線が向かう先を、ボクも一緒に見た。
「聞いた事はある。小説とかでよく見かける言葉だし、タイトルになってる事もあるね。正確には薄明光線、って言うんだっけ?」
そう言うと、おねーさんはパッとこちらに顔を向けて感心したように目を丸くさせると、ふわりと笑った。

