I love you に代わる言葉



 それからボク等は二十分程歩き、ショッピングセンター内にある小さな花屋に入店する。丁度彼岸だからか、手頃な価格の供え用の花が、もう残り少ないみたいだけど、作り置きされていた。ボク等が購入したのは、白い百合の花、一輪ずつだけ。
「親族が先に詣でて、既にお花を手向けているはず。私たちは目立たなくても大丈夫。一輪ずつ、そっと置いておくだけにしましょう」
 そう、おねーさんが言ったからだ。
 どれだけ大切に想い合っていても、恋人という立場ならあまり出しゃばった真似は出来ないのか。墓参りに黄昏時を選んだ理由も、墓参りは故人に近しい人から、というマナーをおねーさんに教えられてから知った。それまでは、行きたい人が行きたい時に行けばいいものだと思っていたんだ。家族よりも恋人の方が大切になり得る事だってあるかも知れないのに、優先されるべきは血統なのか。当たり前と言えばそうだが、それは時に残酷だ。