I love you に代わる言葉



 おねーさんの部屋を出てから、暫くは扉の前で立ち尽くしていた。結局ボクはおねーさんに何もしてあげられず、黙ってそこに居ただけだ。おねーさんは嗚咽を漏らしながら暫く泣いていたけど、一通り泣くと、指先や手の甲で涙を拭い、何か決意を込めたみたいなキラキラした瞳でボクを見た。そして、もう大丈夫です、と言ってボクに笑顔を見せた。それに対し、自分がどんな表情を向けられたのか解らなかったし覚えていない。
『それでも生きていて欲しかった』
 それでも……? と疑問に思ったが、聞けなかったし聞ける状態におねーさんはいなかったから。どういう意味だったんだろうか。
 暫く立ち尽くして悶々と考えていたけど、解る筈もないし、考え付いたものも憶測の域を出ない。要するに無意味だ。そういう結論に至ったボクは、シンに聞く事にした。おねーさんが端折った詳細を、これでシンは教えてくれる筈だ。