『これ、昔付き合っていた人に貰ったものなんです』
『本人が言うからこそ意味がある事もあるんだ』
『未練があってずっと傍に置いていたものではないから、本当に大丈夫です。寧ろ、これで良かったのかなって』
『今日ねーちゃんが言わなかったのは、日生への配慮だ。今言うべきじゃないと判断したからだ』
オルゴールを割った日の、二人の言葉を思い出した。それはボクの身体を蝕むように全身にまとわりついて、軽罪で済んでいたものが重罪にでもなったみたいだ。シンの言っていたボクへの配慮とは、これの事だったんだ。恋人から貰ったというだけでも計り知れない程の価値があり、何にも代えられない代物だろう。死んでしまっているなら、もっと……大切なものを割られたのに、大切な想い出を壊されたのに、おねーさんはボクが自責の念に押し潰されないようにと……あんな時にまで、心遣いを……
ボクは……なんて事を……。
ボクは頭を抱えたくなった。自責の念に押し潰されそうで、気違いのように発狂したい衝動に駆られる。

