「――ねぇ、あんた」
ボクの真横で、女はボクに話しかけてきた。心が叫び出し女を拒否する。声に気付かなかったフリをしてそのまま過ぎ去ろうとしたけど、女はボクの肩を掴んできた。
「――!?」
バッと振り返れば、女と目が合う。その瞬間、世界中の刻が止まった気がした。
「やっぱりヒカリじゃなぁい」
ボク等の様子を見て、数歩後ろにいたおねーさんとシンが、何事かとこちらを凝視したのが視界に入った。
「日生くん、その人は……?」
おねーさんはボクに近付き、驚きを含む声で話しかけてきた。その声を聞いて反応したのは、ボクではなく女だった。
「あらなあに? あんたの彼女?」
女はニタニタしながらボクにそう問うた後、おねーさんを舐め回すように観察した。その視線に不快感を抱かずには居られなかったのか、おねーさんの表情は一瞬、困惑に揺れた。その一瞬を見逃さずおねーさんの心情を敏感に感じ取った女は、やはり下品な笑みを湛えたまま、
「あらあらごめんなさいねぇ。無駄に綺麗なもんだからぁ。ヒカリには勿体無いわね」
そう言って女はチラとボクを見る。ボクはおねーさんを見た。おねーさんは絶句、という言葉がピッタリなくらい、険しい表情で女を見ていた。恐らくここらで、ボクと女との関係に気付いたんだろう。ヒカリ、と、ボクを下の名前で呼ぶのは、この世でこの女しか居ない。おねーさんはそんな事知らないだろうけど、多分、解った筈だ。
ボクの真横で、女はボクに話しかけてきた。心が叫び出し女を拒否する。声に気付かなかったフリをしてそのまま過ぎ去ろうとしたけど、女はボクの肩を掴んできた。
「――!?」
バッと振り返れば、女と目が合う。その瞬間、世界中の刻が止まった気がした。
「やっぱりヒカリじゃなぁい」
ボク等の様子を見て、数歩後ろにいたおねーさんとシンが、何事かとこちらを凝視したのが視界に入った。
「日生くん、その人は……?」
おねーさんはボクに近付き、驚きを含む声で話しかけてきた。その声を聞いて反応したのは、ボクではなく女だった。
「あらなあに? あんたの彼女?」
女はニタニタしながらボクにそう問うた後、おねーさんを舐め回すように観察した。その視線に不快感を抱かずには居られなかったのか、おねーさんの表情は一瞬、困惑に揺れた。その一瞬を見逃さずおねーさんの心情を敏感に感じ取った女は、やはり下品な笑みを湛えたまま、
「あらあらごめんなさいねぇ。無駄に綺麗なもんだからぁ。ヒカリには勿体無いわね」
そう言って女はチラとボクを見る。ボクはおねーさんを見た。おねーさんは絶句、という言葉がピッタリなくらい、険しい表情で女を見ていた。恐らくここらで、ボクと女との関係に気付いたんだろう。ヒカリ、と、ボクを下の名前で呼ぶのは、この世でこの女しか居ない。おねーさんはそんな事知らないだろうけど、多分、解った筈だ。

