ボクの名を呼んだおねーさんに焦点を合わせれば、不安げに揺れる瞳がボクを捉えていた。シンも不思議そうにボクを見ている。
「信号、青になりましたよ」
「どうした? 顔色悪いぜ?」
ボクは酷く混乱し、困惑していたのかも知れない。嫌な汗が背中とこめかみに滲む。
「……何でもない……」
一言告げて、ボクは歩き出す。二人を追い越せば、背後から視線が突き刺さる。おねーさんなんかは心配する様が全身から溢れ出ていた。
二人に余計な心配は掛けぬよう、何とか平常心を取り繕うが、それでもまだ、ボクは動揺していた。彷徨う視線は、何処を捉えればいいのか解らない。赤い傘の女が一歩一歩踏み出し近付くごとに、鼓動がどくんどくんと波打つ。あと数秒耐えれば、何事も無く、他人のように擦れ違える。
擦れ違えた、筈なのに。
「信号、青になりましたよ」
「どうした? 顔色悪いぜ?」
ボクは酷く混乱し、困惑していたのかも知れない。嫌な汗が背中とこめかみに滲む。
「……何でもない……」
一言告げて、ボクは歩き出す。二人を追い越せば、背後から視線が突き刺さる。おねーさんなんかは心配する様が全身から溢れ出ていた。
二人に余計な心配は掛けぬよう、何とか平常心を取り繕うが、それでもまだ、ボクは動揺していた。彷徨う視線は、何処を捉えればいいのか解らない。赤い傘の女が一歩一歩踏み出し近付くごとに、鼓動がどくんどくんと波打つ。あと数秒耐えれば、何事も無く、他人のように擦れ違える。
擦れ違えた、筈なのに。

