「あ、日生くん。もう帰りますか? 出来れば一緒に帰りたいので、もう少しだけ待っててもらえませんか?」
一緒に帰りたい……の言葉にドキッと反応する。ヤバイな、乙女な思考になってきた。
「……いいよ。どうせあと二・三分だし」
と、可愛げのない返事しか出来ない自分。
おねーさんはボクの返事を聞くと、レジカウンターの方へ行き、台に置かれていた紙の束や本等を片付け始めた。その様子を少し離れた場所で眺めていれば、
「日生くんが変わったのは、花恋ちゃんの影響もあるんだろ?」
おねーさんには聞こえないよう、オバサンに小声でそう言われた。何もかもお見通しらしい。
「……別に」
ふいと顔を逸らしながら素っ気無く答えれば、オバサンはうふふと意味深に笑った。
ボクはそれから逃げるようにシンの元へと行く。煌宝から一番近い出入り口で待っているとおねーさんに伝えて、ボク等は煌宝から出た。
暫くして、仕事を終えたおねーさんが、ボク等の元へやってくる。
肩に掛けた淡い空色の爽やかなバッグから折り畳み傘を取り出すおねーさんの様子を見て、
「何だ、傘持ってたのか」
とシンが呟いた。ああ、さっき言うのを忘れていた。
「あ、うん。わざわざ来てくれてありがとう」
シンに向かって礼を言うおねーさん。いつも思っていたが、当たり前なんだけどシンと話す時にはタメ口になるから少し新鮮に感じる。そんな事をぼんやり考えていれば、おねーさんの見えない所で、
「残念だったな日生。相合傘が出来なくて」
とシンが耳打ちしてきた。ボクはバッと睨みあげる。が、シンはそんな事で動じる奴じゃない。口の端を吊り上げてニヤッと笑ってみせた後、雨の中一人だけ先に歩き出した。ふんっと小さく鼻を鳴らした後、それに続くように歩き出す。それから半歩遅れておねーさんが続いた。
一緒に帰りたい……の言葉にドキッと反応する。ヤバイな、乙女な思考になってきた。
「……いいよ。どうせあと二・三分だし」
と、可愛げのない返事しか出来ない自分。
おねーさんはボクの返事を聞くと、レジカウンターの方へ行き、台に置かれていた紙の束や本等を片付け始めた。その様子を少し離れた場所で眺めていれば、
「日生くんが変わったのは、花恋ちゃんの影響もあるんだろ?」
おねーさんには聞こえないよう、オバサンに小声でそう言われた。何もかもお見通しらしい。
「……別に」
ふいと顔を逸らしながら素っ気無く答えれば、オバサンはうふふと意味深に笑った。
ボクはそれから逃げるようにシンの元へと行く。煌宝から一番近い出入り口で待っているとおねーさんに伝えて、ボク等は煌宝から出た。
暫くして、仕事を終えたおねーさんが、ボク等の元へやってくる。
肩に掛けた淡い空色の爽やかなバッグから折り畳み傘を取り出すおねーさんの様子を見て、
「何だ、傘持ってたのか」
とシンが呟いた。ああ、さっき言うのを忘れていた。
「あ、うん。わざわざ来てくれてありがとう」
シンに向かって礼を言うおねーさん。いつも思っていたが、当たり前なんだけどシンと話す時にはタメ口になるから少し新鮮に感じる。そんな事をぼんやり考えていれば、おねーさんの見えない所で、
「残念だったな日生。相合傘が出来なくて」
とシンが耳打ちしてきた。ボクはバッと睨みあげる。が、シンはそんな事で動じる奴じゃない。口の端を吊り上げてニヤッと笑ってみせた後、雨の中一人だけ先に歩き出した。ふんっと小さく鼻を鳴らした後、それに続くように歩き出す。それから半歩遅れておねーさんが続いた。

