I love you に代わる言葉

「な、何言ってるんですか藤村さん……! 付き合ってないです……」
「違うのかい?」
「……違うよ、何言ってるのさ。どこをどう見てそう思ったのさ」
「あんたは随分と冷めてるねぇ……。いやぁ何かねぇ、日生くんここに来なかった割に花恋ちゃんと話す時は自然な感じだと思ってねぇ。もしかして日生くんが変わったのは花恋ちゃんと付き合ったからかなと思ったんだよ」
「ち、違いますよ藤村さん。日生くんは確かに変わりましたけど、多分、温かいお友達が出来たからだと思いますよ。藤村さんが叱ったあの金髪の男の子も、日生くんと仲が良くて。あの子も本当は凄く温かい子なんですよ。私達のやり取りが自然なのは、私の弟が日生くんとお友達だからです。それでプライベートでも話すようになったんですよ」
「ああそうだったのかい。良かったじゃないかあんた。いい友人に恵まれる事は幸せな事だからねぇ。大事にしなよ」
 ボクは何も答えず、そっぽを向いた。
 おねーさん、ボクが住んでいる事は伏せたのか。賢明な判断だと思うし、何より助かる。それが知られれば色々と詮索されかねないからね。
「因みに、あそこに居るのが弟です」
 おねーさんはシンを見ながら少し恥ずかしそうに言った。シンに此方の会話は届いていないのか、真剣な表情で石を見ていた。オバサンは酷く驚いて、
「あのイケメンくん、花恋ちゃんの弟さんだったのかい!? ……言われてみれば確かに似てる気もするねぇ。しかし花恋ちゃんの弟さんか。うん、うん、納得だね」
 オバサンはおねーさんとシンを交互に見ながら言った。おねーさんは何故かボクと目を合わせ、破顔する。その表情は嬉しそうな恥ずかしそうな、照れているような、まだ頑是無い子供が褒められて喜んでいるみたいな、可愛らしい笑顔だった。