I love you に代わる言葉

 下らない会話を繰り広げ、十五分後ショッピングモールに到着した。さっきの雑貨屋から近くて助かった。土砂降りの中歩いたからズボンの裾が結構濡れてしまったけど。
 ポケットからケータイを取り出し時間を確認すれば、十六時四十五分だった。もう少しおねーさんを待たなければならない。
 ボク達の足は自然と煌宝へ向かう。そういえば久し振りだ。以前は結構通っていたのに、今ではここ以外で会えるんだから不思議だ。
 煌宝に到着すると、おねーさんとオバサンが居た。二人はボク達の姿を見ると酷く驚いていた。
「日生くんじゃないか。久し振りだねぇ!」
 オバサンは嬉しそうに声を掛けてきた。カウンターからわざわざ出てきて、ボク等に歩み寄る。うん、と短く返事をすると、オバサンは更に驚いていた。瞳を大きく開き、こちらをじっと見つめながらパチパチと瞬きをする。
「何だかあんた、随分と雰囲気が変わったねぇ。いい意味で生意気な少年っぽくなったよ」
 目を細めて穏やかな笑みを浮かべたオバサンにそう言われて、妙にくすぐったい気持ちになった。その声がおねーさんにも届いたようで、ふふっと笑みを零す。
「……べつに、変わらないさ」
 そうやって素っ気無く返事をしても、オバサンはにこにこしていた。
「隣に居るイケメンくんのお陰かい?」
 オバサンはそう言ってボクの一歩後ろに立つシンを見ながら言った。それを聞いてシンは苦笑する。褒められ慣れているのかいないのかよく解らない曖昧な反応だ。
「だからべつに変わらないって」
 尚も素っ気無く返事をすれば、オバサンは「はいはい。じゃあそういう事にしといてあげようかねぇ」と言って肩を竦めて笑った。というかオバサン、シンがおねーさんの弟だって知らないのか。初めて会うんだろうな。