I love you に代わる言葉

 ぴくりと反応する自分がいる。割れたオルゴールの破片が入った皿は、布団の中に隠してあるからバレない筈なのに、いちいち過敏に反応してしまうのは後ろ暗い事があるからだ。おねーさんを見れば、おねーさんの目はボクを通り過ぎた先を見ていた。恐る恐る視線を辿ると、それはどうやらテーブルの上らしかった。全身が安堵に包まれる。
「買ってくれたアメシスト、飾ってくれているんですね」
 おねーさんは幸せそうに笑った。今まで見た中で一番嬉しそうで幸せそうな笑顔だった。そんな事くらいでそんな風に笑ってくれるなら、一生飾ってやる。
「ああ、結構気に入ってるからね」
 何も悟らせまいと、わざといつもの得意気な表情と口調で言う。おねーさんはふふっと笑って、嬉しいです、と言った。
「そういえばおねーさん、石、窓際に飾ってたよね? これって窓際に置いとく方がいいの?」
 ボクは尋ねながら、テーブルに置いた白い箱を手に取っておねーさんに見せた。おねーさんはボクの傍に歩み寄り、白い箱の中を覗き込む。
「ふふ。ラブラドライトや翡翠もこの中に一緒に入れてくれてるんですね。アメシストは紫外線に弱い石なので、逆に窓際はやめた方がいいです。退色する恐れがありますので。この中で太陽光に強いものは翡翠だけですね」
「へぇ、そうなんだ」
 最近はずっと飾っているからか愛着が湧き気に入った事は嘘じゃないけど、本当は飾る場所など何処でも良かった。ただ、後ろ暗さを少しでも紛らわせたくて、別の話題に繋げただけだ。けど、箱を持った事で、結局。