I love you に代わる言葉

 写真に写っていたものは、想像通りのものだった。だけど見た瞬間、心臓はどくんと跳ねた。
 ボクと然程歳の変わらない男女が写っている。よくある、ツーショット写真。写真の女は、間違いなくおねーさんだ。いつ、だろうか。化粧っ気もなくて、髪も今よりは短く、ミディアムヘアだ。全体的に幼いおねーさんがそこには居た。にっこりと幸せそうに笑っている。けど、この頃の方が幸せそうだ、という印象もない。今もこんな風に笑う事が多いから。
 ……隣の男は、知らない。今のボクと同じくらいの歳に見える。それか一つ上。容姿は整っている。髪は栗色で、ミディアムヘアが綺麗にセットされている。大人っぽいような少年っぽいような。服装は何というか……バンドマン、という印象だ。楽器持ってないしそういうのに疎い方だからハッキリ言えないけど。
 だけどバンドマンと仮定すると、色々辻褄が合う気もする。バンドマンなら、夢を叶える為だとか上京だとかで別れる場合が多いと聞くし、それでおねーさんは、まだ忘れられないのかも知れない。影ながら、応援している、とか。写真でしか解らないが、二人が想い合っているのは解る。ああ、もしかすると、夢を叶えたら再会を果たそう、とか、夢を叶えたら迎えに来るよ、とか、そんな約束を交わしたのかも。……実際は知らないけどね。けど、そう仮定するとシンの態度も合点がいく。彼氏が居る、居ないがハッキリ言えなかったのはそこだったのかも知れない。