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図書館へは三十分程度で到着し、それから互いに好きな場所へ向かった。この市立図書館は、設備も整っているし清潔感もある。此処は無駄に煩い馬鹿も居なければ態度の悪い奴もそうそう居ない。静かな場所で知識を高められる、ボクにとっては結構居心地のいい場所だった。
そんな場所におねーさんと来ているなんて、不思議だ。出会った頃からは想像も出来ない。いや、今の環境自体想像出来ない。口に出しては言わないけど、シンのお陰だ。あいつが居なかったらこんな場面が訪れる事もなかったろう。
思考を巡らせながら、ボクは歩を進める。ボクはミステリー小説が並ぶ本棚で足を止めた。ざっと背表紙を見て気になる本を数冊見つけたけど、何となく読書の気分でもなかったから、結局本を一冊と手に取らずおねーさんの元へ戻る事にした。最近、本を読んでも意識が他を向いている事が多い。何でかよく解らないけど。
それにしても広過ぎておねーさんがなかなか見当たらない。館内をぐるぐると歩き回り、ロシア文学が並ぶ本棚の所で、漸く見つけた。既に本を一冊持っている。ボクはおねーさんに近付いた。
ボクの存在に気付いたおねーさんは、「気になる本、何かありました?」小声でそう問い掛けてきた。
「数冊あったけど、今日はいい」ボクも小声で、そう答えると、おねーさんは、そうですか、と囁くように言った。
結局おねーさんは、手に持っていた分厚い本を一冊だけ借りた。受付を前に、日生くんは本当に何も借りなくていいんですか? とおねーさんに尋ねられたけど、やっぱり読む気がしなくて頷いた。おねーさんはあまりぐるぐる歩き回る事もなかったし、何を借りるか迷う事もなかったから、身体が疲労感を訴える事はなかった。
図書館へは三十分程度で到着し、それから互いに好きな場所へ向かった。この市立図書館は、設備も整っているし清潔感もある。此処は無駄に煩い馬鹿も居なければ態度の悪い奴もそうそう居ない。静かな場所で知識を高められる、ボクにとっては結構居心地のいい場所だった。
そんな場所におねーさんと来ているなんて、不思議だ。出会った頃からは想像も出来ない。いや、今の環境自体想像出来ない。口に出しては言わないけど、シンのお陰だ。あいつが居なかったらこんな場面が訪れる事もなかったろう。
思考を巡らせながら、ボクは歩を進める。ボクはミステリー小説が並ぶ本棚で足を止めた。ざっと背表紙を見て気になる本を数冊見つけたけど、何となく読書の気分でもなかったから、結局本を一冊と手に取らずおねーさんの元へ戻る事にした。最近、本を読んでも意識が他を向いている事が多い。何でかよく解らないけど。
それにしても広過ぎておねーさんがなかなか見当たらない。館内をぐるぐると歩き回り、ロシア文学が並ぶ本棚の所で、漸く見つけた。既に本を一冊持っている。ボクはおねーさんに近付いた。
ボクの存在に気付いたおねーさんは、「気になる本、何かありました?」小声でそう問い掛けてきた。
「数冊あったけど、今日はいい」ボクも小声で、そう答えると、おねーさんは、そうですか、と囁くように言った。
結局おねーさんは、手に持っていた分厚い本を一冊だけ借りた。受付を前に、日生くんは本当に何も借りなくていいんですか? とおねーさんに尋ねられたけど、やっぱり読む気がしなくて頷いた。おねーさんはあまりぐるぐる歩き回る事もなかったし、何を借りるか迷う事もなかったから、身体が疲労感を訴える事はなかった。

