「そういえばさ……シンから聞いた?」
唐突に主語のない質問をする。少し考える素振りをし、それからやや自信無さげに口を開いた。
「日生くんが住むかも知れないって事ですか?」
「うん」
簡単に返事をした後、ボクは暫く黙っていた。おねーさんは、返事の後に言葉が続くものだと思ったのか、数秒ボクを見つめていた。けど、ボクが口を噤んだ事を悟ると、前を向いてひたすら黙した。
「……何で他人受け入れたのさ」
暫くしてボクが問うと、おねーさんはボクを一瞥し、口を開く。
「他人と言っても、いつもお店に来てくれた知り合いですし、何より真の友達だから」
「それだけ?……同情もあったんじゃない?」
「もちろん」
「な……、」
ボクは驚いておねーさんを見る。即答だった。それに、まさかあんな強い口調で肯定するとは思わなかった。おねーさんの横顔は、言葉とは裏腹にとても力強くて、鋭くも温かい光が目に宿っているみたいだった。眉を下げて見るからに憐れんでいる、そんな表情じゃなかった。ボクは笑った。
「ははっ。そうやってはっきり言われるといっそ気持ちいいね」
ボクがそう言うと、おねーさんはにこっと笑って「でしょう?」と言った。それに更に驚かされておねーさんを見れば、優しくも強い眼差しがボクを真っ直ぐ射抜いた。真っ直ぐで、正直で、清らかな、人。その人柄が目に、そのまま表れていた。
照れ臭くて視線を外し、前を見る。前、とは何処だろうか。二人で歩く道が、前方に見える道が、……モノクロの道が、ほんの微かに、色付いた気がした。
唐突に主語のない質問をする。少し考える素振りをし、それからやや自信無さげに口を開いた。
「日生くんが住むかも知れないって事ですか?」
「うん」
簡単に返事をした後、ボクは暫く黙っていた。おねーさんは、返事の後に言葉が続くものだと思ったのか、数秒ボクを見つめていた。けど、ボクが口を噤んだ事を悟ると、前を向いてひたすら黙した。
「……何で他人受け入れたのさ」
暫くしてボクが問うと、おねーさんはボクを一瞥し、口を開く。
「他人と言っても、いつもお店に来てくれた知り合いですし、何より真の友達だから」
「それだけ?……同情もあったんじゃない?」
「もちろん」
「な……、」
ボクは驚いておねーさんを見る。即答だった。それに、まさかあんな強い口調で肯定するとは思わなかった。おねーさんの横顔は、言葉とは裏腹にとても力強くて、鋭くも温かい光が目に宿っているみたいだった。眉を下げて見るからに憐れんでいる、そんな表情じゃなかった。ボクは笑った。
「ははっ。そうやってはっきり言われるといっそ気持ちいいね」
ボクがそう言うと、おねーさんはにこっと笑って「でしょう?」と言った。それに更に驚かされておねーさんを見れば、優しくも強い眼差しがボクを真っ直ぐ射抜いた。真っ直ぐで、正直で、清らかな、人。その人柄が目に、そのまま表れていた。
照れ臭くて視線を外し、前を見る。前、とは何処だろうか。二人で歩く道が、前方に見える道が、……モノクロの道が、ほんの微かに、色付いた気がした。

